サーキットボウル閉店にあたって
木のぬくもりは大事にしたい坊輪具の師範の四条貴音です。
ウッドレーンのボウリング場は年々減りつつありますが、ボウリング場の数そのものも減少傾向にあります。日本ボウリング場協会の2019年度の事業報告(https://bowling.or.jp/pdf/outline/report_2019.pdf)によれば、2018年度末のセンター数が754件であったものが、2019年度末には735件と19件の減少しました。2012年度末では901件あった(平成25年度 事業報告)ことから、この10年弱の間に2割のボウリング場が姿を消したことになります。
原因としては建物の老朽化の問題や事業としての採算性が挙げられますが、ここ1年のコロナ禍がさらに追い討ちをかけるように事業の継続を困難にしているように思えます。
サーキットや遊園地に比べて地味だけど……
さて、鈴鹿サーキットと言いますとF1日本グランプリや鈴鹿8時間耐久レースでおなじみの「さーきっと」として知られています。また、遊園地やほてる、入浴施設、自動車教習場などが付帯した一大れじゃー施設群を形成しています。
その中でサーキットボウルは比較的地味な施設だったかもしれません。遊園地の正門やバス停からは少し遠く、Honda Collection Hallが茂木に移ってたり、ほてるの味の街がなくなったりしたことで近年では駐車場の方に向かう方以外はなかなか前を通ることもなかったかもしれません。
また、F1のような大きなイベントの際の徹夜組の待機場所としてお世話になった方も多いのではないかと思います。
施設の概要
レーンはウッドです。歴史のあるボウリング場ではウッドからアーマーレーンといった合成のものに置き換わったりすることはよくありましたが、ここは最後までウッドでした。
図1 レーンの様子
最近は見ることも少なくなったBrunswickのAstroline。メンテナンスの状態はとてもいい。
また、点数を表示するオーバーヘッドモニターの後ろのスクリーンのことも忘れてはいけません。このスクリーンは手書きで点数を記入していた頃のもので、点数を薄い透明なフィルムのようなものに手書きで記入し、スクリーンに投影していました。
手書きのスコアラーが現存してるのは国内ではダンコーエンボウルぐらいしかありませんが、オートスコアラーが普及する前は一般的な方法でした。もっともこのオートスコアラーも何台稼働しているのかわからないSHARP製のものですので、これもこれでとても貴重なものでした。
図2 オーバーヘッドモニターとオートスコアラーの端末
今となっては貴重なブラウン管のオーバーヘッドモニターとその裏の手書きのスコアラー用のスクリーン。そのオートスコアラーの端末もSHARP製というなんだかんだで貴重なスコアリングシステム。
さいごに
国際レーシングコースの方は世界一の「さーきっと」の一つと称されるくらい素晴らしいこーすであることは言うまでもありませんが、サーキットボウルもそれに並ぶくらい素晴らしいボウリング場でした。
コロナ禍がなければ、もう何度か足を運ぶことができたのでしょうが、それも叶わぬ夢となってしまい今はとても残念です。
通うというほど投げには行けませんでしたが、ありがとうございました。